腹直筋を鍛える種目として、とても有効なのが腹筋ローラー。
特に、
膝を付けない通称『立ちコロ』は腹直筋の上部・下部ともに強い刺激を与えることが出来ます。
でも実際おこなってみると、
腹筋というよりも脚の付け根や股関節周りに効いてしまう人はいませんか?
それもそのはず、腹筋ローラーの立ちコロというのは『股関節の屈曲』を伴うので、脚の付け根&股関節に強い刺激が入るのは当然の事なのです。
今回は、
そんな腹筋ローラーの立ちコロを機能解剖的に科学してみます。
腹筋ローラーの立ちコロ動作時の関節運動とその主動筋
腹筋ローラーで立ちコロを行う際、一番負荷がかかる関節運動はこちら。
- 股関節の屈曲
- 体幹部の屈曲(脊柱と胸部)
この2箇所が主に行われる関節運動となります。
そのほか、
肩関節の伸展も関与しますが、腹筋ローラーの立ちコロでは、それほど負担にはならないので今回は省きます。
では、
これら2つ(股関節の屈曲と体幹部の屈曲)の動作において、主動筋となる筋肉の部位を特定しましょう。
1.股関節の屈曲で主に使われる筋肉

引用:Atlas
- 大腰筋
- 腸骨筋
- 大腿直筋
- 縫工筋
- 大腿筋膜張筋
これら5部位が、股関節を屈曲させる際に主動筋として動作します。
この中でも特に、
大腰筋と腸骨筋は立ちコロでかかる負荷が高く、身体が伸び切った後の引き上げ時に強い筋出力を必要とします。
大腰筋と腸骨筋は2つをまとめて腸腰筋と通称される事が多いです。
2.体幹部の屈曲で主に使われる筋肉

引用:Atlas
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
皆さんお待ちかねの腹筋。
これら3つの腹筋群も立ちコロの時に強い刺激が入ります。
初めて腹筋ローラーを行った翌日、腹筋が強い筋肉痛になった人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、
膝をついた状態での腹筋ローラーでは、支点の関係から股関節への負荷は減り、腹筋群に集中して負荷がかかります。
なので、腹筋ローラーで腹筋群を集中的にトレーニングしたい場合は、膝つきのまま背中に加重をしていく方法も有効。
腹筋ローラーの立ちコロが出来ない時の弱点部位の特定
「立ちコロができない。」
「頑張っても片道切符が精一杯。」
そんな時に、どの筋肉部位が弱くて出来ないのか。それを考えてみましょう。
1.ボトムポジションで腰が反ってしまう場合
身体をボトムポジションで伸ばしきった時に、その負荷に耐えられずに『腰が反ってしまう』場合は、
- 腹直筋を屈曲させる筋力不足
の場合がほとんど。
腰が反ってしまうという事実が、腹直筋が負荷に耐えられずに伸び切ってしまっている事を意味します。
腰が反ってしまっても立ちコロは可能ですが、動作時に腰椎にかかる負担が大きく、腰を痛めてしまうリスクが高まります。
2.腰は反らないが身体を引き上げられないor前につんのめってしまう場合
腰を反らさず、ボトムポジションまで達したとしてもそこからスタートポジションに戻れなければいけません。
ボトムポジションから戻れない原因の1つとして、
- 股関節を屈曲させる筋力不足
が挙げられます。
ボトムからスタートに戻るためには、腸腰筋・大腿直筋等の筋肉を使い、股関節を曲げていかなければいけません。
股関節の屈曲というのは動作範囲が大きく、股関節が伸び切った状態では力が入らない人も多くいます。
腹筋ローラーといいつつ、足(股関節)の筋力不足というのは何だか悲しいですが、立ちコロの場合はそういう物として受け入れましょう。
補足:身長(手足の長さ)による立ちコロの難易度の違い
実は、立ちコロは身長によって強度が変わります。
- ローラーを持つ手を『A』
- 股関節を『B』
- 足先を『C』
とした場合、
AからBへの距離、BからCへの距離が遠ければ遠いほど、腹筋群と腸腰筋(その他屈曲筋群)にかかる負荷は高まります。
なので、
高身長・手足が長い人はその分だけ立ちコロをおこなう事が難しくなります。
もしあなたが現状、立ちコロが難しく感じている場合は、平均よりも手が長かったり身長が高いからかもしれません。
◇注意◇
もし身長が低い人に悠々と立ちコロを見せつけられた場合に、
「お前はチビだから簡単にできるんだ!」とは決して言わないようにしましょう。
その後の関係性に亀裂が入る事でしょう。
手段と目的をごっちゃにせずに、立ちコロに励みたいものですね!
腹筋ローラーの立ちコロをマスターするための練習方法
膝コロで回数がこなせるようになったら、立ちコロへの練習を段階的に取り入れていきます。
1.立ちコロをマスターするための練習方法
- スネコロ
- 半立ちコロ
- 開脚コロ
- 腕曲げコロ
これらを駆使して完璧な立ちコロが出来るように身体を強化していきましょう。
1.スネコロ
※詳しい動作は鋭意製作中!少々お待ち下さい。
2.半立ちコロ
3.開脚コロ
4.腕曲げコロ
2.筋肉・関節・その他諸々を壊さないための正しいフォーム
立ちコロを行なう際に、大きなケガを負わないために注意するべきことがあります。
それは、
- ローラー本体を肩より下に持ってこない(腕で引き戻さない)
- 体幹部の屈曲を意識する(腰を反らし過ぎない)
この2つは必ず意識しておきたいポイントです。
もし間違ったフォームで動作を行った場合の末路をご紹介しましょう。
3.間違ったフォームで行った場合の悲惨な末路
ローラー本体を肩より下に持って来てしまった場合
- ローラーに逆方向のモーメントが加わり、顔面を強打する
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恐ろしいですね。ローラーが肩より下に入った瞬間にはもう顔面直撃コースです。
この方はおでこが流血したようです。
続いてはこちら。
開始0:07秒、豪快に地面に叩きつけられ、なんと前歯を折ってしまったようです。
こちらも同じく、腕で引きつけるようにして肩より下にローラーが入った瞬間の出来事です。
特にやり始めて間もない頃は、立ちコロでの力の入れ方が分かっていない場合が多いです。
上記2つの動画の先人達の犠牲を糧に、慣れてくるまでは充分に注意しながら練習しましょう。
立ちコロで腸腰筋が強くなりすぎた場合の弊害とその対策
大腰筋と腸骨筋をひとまとめにした総称を『腸腰筋』と言います。
腹筋ローラーでの立ちコロはこの腸腰筋も鍛えられることは充分に説明しましたね。
しかし、
この腸腰筋が強くなりすぎると身体にとって深刻な問題が引き起こされる場合があります。
腸腰筋が強くなりすぎた場合に上昇するイベントリスク
腸腰筋が強くなりすぎると、骨盤の前傾が起こります。
骨盤の前傾が起こることで、腰回りの背骨前方の圧力が高まり、逆に背骨後方の圧力が弱まります。
そうなると、
椎間板ヘルニアのイベントリスクが高まるわけです。
なにかの動作で突発的に痛めてしまう事もあれば、日々の腰痛となって現れてくる場合もあります。
せっかく立ちコロが出来るようになったのに、腰痛になってしまっては元も子もありません。
前傾した骨盤を矯正するための対策
前傾してしまった骨盤を矯正する方法は、その反対側の筋肉を強化する事です。
- 股関節の屈曲させる腸腰筋
ではその反対は、
- 股関節を伸展させる大殿筋・ハムストリングス
となります。
ハードに立ちコロを行なう方であれば、これらの股関節を伸展させる筋肉もバランスよく強化するようにしましょう。
まとめ
ケガにまつわる少し怖い話も出てきました。
しかし、
腹筋ローラーでの立ちコロは、腹筋・腸腰筋に最小限の器具で最大限の負荷をかけられる非常に優秀なトレーニング方法です。
体幹部・股関節の強さは様々なシーンで求められますので、正しいフォームの立ちコロで回数がこなせるようになれば、多くのスポーツパフォーマンスが向上するでしょう。
もちろん、腹直筋の筋肥大にも有効ですよ。
ここまで読んでくださったあなたは、もう腹筋ローラーの立ちコロを安全に練習できるはずです。
腹筋ローラーは自宅で簡単に始められます。この記事を読みながら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。




















